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植酸栽培とは

トマト

植物は、根から「植酸」と呼ばれる有機物を分泌し、土壌を改善しながら自身の生育にベストな環境を作り出しています。この「植酸」の利点を取り入れ、植物が本来持つ生命力を最大限発揮できる環境を作りだす栽培方法を植酸栽培といいます。

生育にベストな環境を整えることで、生命力を最大限に伸ばし、農薬や化学肥料に頼らずとも病害虫に負けない丈夫な株が育ちます。そのため、栄養豊富で美味しい作物を育てることができます。さらに、土壌や植物への負担を最小限にとどめることにより、シュウ酸や硝酸などのえぐみの原因となる物質の生成を防ぎます。また、未消化の有機肥料によって発生するガスの発生を抑えることもできます。

私たちは農薬や化学肥料を使った農業を否定しているということではありません。そういう農業のおかげで安い野菜が季節に関係なくスーパーで手に入れることができるようになりました。ただ、地球環境を保全しながら安全な食べ物を生産することができる、この植酸栽培を後世に残していきたいのです。是非、私たちの野菜作りを応援してください!!

キャベツ

もう一つの利点

植酸栽培にはもう一つ利点があります。

それは、農薬や化学肥料、粗悪な有機肥料によって土壌に蓄積した硫酸や塩酸など有害な成分やガスを分解して無毒化する効果があることです。この農法は40年以上前、日本に化学肥料が広まり始めたころ、自然環境を壊さずによい作物を育てるための栽培方法として生まれました。休耕地や耕作放棄地の問題が増えてきていますが、農薬や化学肥料で汚染されたまま放置されている休耕地や耕作放棄地の土壌改善にも役立てることができます。そのまま放置することで成分はやがて海へと流れだし、さらなる地球環境の悪化を招くことになります。

現在ではスマート農業、アグリテックなどと言われ農業のIT化や技術が目覚ましく進歩しています。ですが、いくら技術が進歩したとしても「良い土壌作りがいい作物を育てる」という基本的なことを理解していなければ最新技術は役に立ちません。そして、それは自然の力を最大限生かすことであり、豊かな自然環境を作り出すことなのです。

左:中島、右:坪池

庄内地方でこの植酸栽培を指導するのは佐藤長蔵商店の「坪池兵一」さんです。坪池兵一さんの野菜作りは有名シェフからも信頼され、全国各地から問い合わせが絶えません。農業雑誌などでも取り上げられている有名人です。坪池兵一の指導を頼って生産者から学生まで様々な人が佐藤長蔵商店に集まります。

現在も、庄内に植酸栽培農家は十数名いますが、慣行栽培の野菜に比べて価格が高いことや手間がかかること、高齢化が進んでいることからその数は減り続けています。このままでは日本の土壌劣化はますます進み、安心安全でおいしい野菜を作れる生産者は減っていく一方です。この農法をより多くの人に知ってもらいたい。そういう想いでこのプロジェクトをスタートさせました。

​植酸栽培について気になった方は是非一度ご連絡ください。

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